移住者インタビュー

移住は人生を楽しむための選択肢。きれいな水のある場所で、木を植え、育てる人になる。

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喫茶店オーナーから林業従事者へ。華麗な転身を遂げた鈴木さんにお話を聞きました。

鈴木 宏治さん

  • 出身地:神奈川県
  • 現住所:仁淀川町
  • 移住年:2020年
  • 職業:森林組合

地元・横須賀でこだわりの詰まったカフェを経営

神奈川県横須賀市で生まれ育った鈴木さん。同郷の妻とともに、カフェを開いたのは30歳の時でした。自分のお店を持つことが目標だったということではなく、夫婦でともに時間を過ごし、自分たちが楽しめる空間を持つということを大切にした結果、行き着いたのがカフェを開くことでした。
友人たちとDIYした店内は、鈴木さんのやりたいこと、こだわりを詰め込んだ空間。そこで過ごす時間が好きで集ってくるお客さんも多かったといいます。
鈴木さんに転機が訪れたのは、オープンから10年ほど経ったころ。40歳を迎え、「やりたいことがひと段落したな」という感情が生まれました。このまま横須賀でカフェを続けていくのか、それとも知らない場所に移住して新しいことにチャレンジするか、という二つの選択肢が浮かびます。
人生において、鈴木さんは揺るぎない指針を持っています。それが、「人生を楽しむ」ということ。鈴木さんにとって、ワクワクする選択肢は移住でした。

譲れない条件と仕事について考える

移住するにあたっての候補地は日本全国。行ったことのある場所も、行ったことのない場所も、すべての場所が候補地でした。そんな中で、鈴木さんが移住先に求めることはただ一つ。「水のきれいなところ」ということでした。
そしてもう一つ、移住するにあたって大切なのが仕事です。新しいことにチャレンジしようと考えていた鈴木さんは、以前見た映画をふと思い出しました。林業をテーマにした映画『WOOD JOB!』です。この映画で見た、林業に情熱を注ぐ人たちの姿を思い出し、山師の道へ進むことを決めたのです。

移住相談窓口で、高知の魅力をノンストップで熱弁される

鈴木さんが初めて移住相談窓口を訪れたのが、2019年のこと。東京有楽町にある「ふるさと回帰支援センター」を訪れ、受付で「きれいな水」と「林業」をキーワードに移住先を探していることを伝えます。そして最初に紹介されたのが、高知県の窓口でした。
U Iターンコンシェルジュに挨拶をし、そこから1時間以上。いや、2時間ほどだったかもしれません。高知県の川がどれほどきれいか、林業が盛んか、鈴木さん夫婦にいかに合っているか、コンシェルジュの熱弁が止まりません。
「他の自治体のブースも回るつもりだったんだけど…」と内心では思いながら、だんだんと高知県に興味を持ち始めた時、ある言葉が鈴木さんの心を強く惹きつけます。それは、仁淀川町のパンフレットに書かれた「山があれば生きていける」の一文でした。その言葉を見た時、心が決まります。漠然と数年先くらいの移住をイメージしていましたが、できる限り早いタイミングで仁淀川町へ移住し、林業をしようと決め、動き始めることとなりました。

下見なしで移住しようとして、担当者に止められる

さっそく仁淀川町役場に問い合わせ、林業研修制度や住宅のことなど情報収集を始めます。その時に役場の担当者から言われたのが「一度、仁淀川町を見に来てください」ということです。ですが、鈴木さんは「カフェの営業があるので行けません」とその誘いを断ります。カフェの営業ももちろんですが、その時すでに鈴木さんの気持ちは仁淀川町に決まっていました。下見などそれほど重要ではないと感じていたのです。「それでも、一度は来てください」と役場の担当者に再度言われたことで、どうにか予定を調整し、仁淀川町を訪れたのは2019年の秋のことでした。
現地で目にしたのは、息を呑むほどに美しい仁淀川。鈴木さんが持っていた「ここだ」という思いは、揺るぎない確信へと変わりました。

林業を軸に広がる夢

こうして、2020年の2月に鈴木さんは仁淀川町に移住します。移住後は林業研修制度を利用して、仁淀川森林組合での仕事を始めます。
鈴木さんが行う林業は、「造林」と呼ばれる木の苗木を山に植え、育てる仕事です。スギやヒノキは、生育に50〜70年後という長い時間がかかります。そのスタートの部分を担っています。造林は、林業の中でも特に地味な仕事だと鈴木さんは言います。そのため担い手が慢性的に不足しているのです。これを解消するために鈴木さんが思い描いているのが、林業を軸とした多様な働き方の実現です。
林業をしながら木工やアウトドア、もしくはまったくの他業種に取り組むなど。林業専業でなく、林業とそれぞれのやりたいことを両立することの可能性です。こうした取り組みが実現できれば、林業の担い手確保になり、また仁淀川町で人生を楽しむ仲間が増えるのではないかと考えています。「人生を楽しむこと」は鈴木さんの哲学です。自分自身も楽しみながら、仁淀川町の楽しい未来を思い描いています。

取材を終えて(編集後記)

鈴木さんが、下見なしでいきなり移住しようと考えていたのは驚きでした。鈴木さんには相応の覚悟やカフェの経営という事情があったからだとは思いますが、やはり一度現地を訪れてみることは必須ですね。
現在は、仁淀川町で山暮らしを楽しんでいる鈴木さん。これからのアイデアを楽しそうに語ってくれる姿が印象的でした。鈴木さんが植えた苗木が大木へと育っていくように、仁淀川町に根を張り、太く育っていく未来に注目です。

※この記事は、2022年9月1日時点の情報を掲載しております。


当センターは、高知へのUIターンに役立つ最新情報を発信しているほか、各市町村で活躍する移住者のみなさんの活動も応援しています。ご感想、ご質問は高知県移住コンシェルジュまでお気軽にお寄せください。

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