移住者インタビュー

「有機栽培の文旦を作りたい」その思いを土佐市が受け入れてくれました

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次世代の子どもたちのためにも、安心・安全な農作物を作り続けたい

水谷 任佑さん

  • 出身地:東京都
  • 現住所:土佐市
  • 移住年:2019年
  • 職業:文旦農家

地域おこし協力隊になるきっかけは「文旦、作れますか?」

小さい頃から農業に関心を持っていて、大学・大学院では植物ウイルスの研究をしていたこともあり、親戚の住む茨城で8年ほど、野菜の有機栽培をやっていました。かなり悪戦苦闘する中で、現地の協力隊員からたまたま話を聞く機会があって。新規就農ではハードルの高い果樹の栽培も、協力隊制度を使えば挑戦できそうだと思い、東京で開催された県の移住フェアに「文旦、作れますか?」と話を持ち込んだのが応募のきっかけです。元々、土佐市の協力隊はミッションの枠組みがゆるく、「農業分野」で募集されていたんです。

高知、というか四国には、協力隊の面接を受ける時が初上陸でした(笑)文旦は子どもの頃に、たまたま食べた時の印象がすごく強かったんですよね。それに皮が厚くて保存性も高いので、多少外側に病虫害があっても中身は影響を受けにくくて、環境に優しい方法で育てるのに向いているだろうと。今は首都圏であまり出回ってない作物だからこそ、売り出す余地もあるだろうと思っています。

よそ者も受け入れてくれる土地柄に感謝

実は着任前、「真面目すぎる」とか「とっつきにくい」と周りに思われる気がしたので、親しみやすい雰囲気を出そうと結構努力したんですよ。例えばメガネをオレンジのフレームにしたり、ファッション全体、協力隊になる前よりかなり気を遣うようになりました。こちらに来て婚活を始めたというのもありますが……。県が主催するイベントで、今の彼女と出会いました。週に3・4日、市外の実家から農作業を手伝いに来てくれていて、土佐弁のプライベートレッスンもお願いしています(笑)

高知はすごくオープンで、よそ者も快く受け入れてくれる土地柄ですよね。昨年参加した地域の秋祭りでも驚いたのが、地域外の子どもたちも踊り手としてたくさん参加していたことです。茨城では、高齢化が進むにつれて地域の行事がどんどん消えていってしまう様子を見ていたので、高知の人は外の力をうまく取り込むのが上手なのかなぁと思いましたね。僕が応募した時の市の担当職員さんには、協力隊担当を外れた後もずっとお世話になっています。今住んでいる一戸建ても紹介してくれて、悩みを聞いてもらったり、ホームパーティに呼んでもらったり。協力隊の卒業生ともその方を通じて知り合えて、ありがたいですね。

次世代の子どもたちのためにも、安全な方法で育てる農産物を広めたい

協力隊になった1年目は、地元の農家さんのお手伝いを通じて経験を積みながら、耕作放棄地を借りて実践の場としました。2年目の今は、更に他の放棄地や高齢で規模縮小される文旦畑を借り受けて、栽培面積を徐々に広げているんですが……腕にはかなり自信があった草刈り機が、野菜畑で使っていたものと、文旦の山で使うものとでは全く別物で。傾斜地で、木の下でかがむ必要があるしで、使いこなすのには中々苦労しています。農作業スペースのある家探しが目下の課題ですね。中々タイミングよく、空き家が見つからなくて……。ですが僕も、かなりの覚悟をもって協力隊に挑戦しているので、頑張って探し続けます。

見た目は悪くても、環境にできる限り配慮し、食べるひと、作るひと、そして周りに住むひとにも安全な方法で育てた作物を東京の街中にも広めていきたいです。そういった農産物が、次世代の子どもたちにとって当たり前になればなと思っています。


※この記事は、2020年12月21日時点の情報を掲載しております。

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