移住者インタビュー

移住のきっかけはフランスで出会ったシェフ。
漁師町で食材に触れながら、食の試みを展開中!

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『市場のめし屋 浜ちゃん』で、自分のやりたいことにチャレンジしています

本中 千絵さん

  • 出身地:大阪府
  • 現住所:中土佐町
  • 移住年:2022年
  • 職業:飲食店店主、料理人

留学中のフランスで、高知をオススメされる

私が暮らす中土佐町久礼(くれ)は、カツオの一本釣りの町としても知られる高知県西部の漁師町。高知市内から車で約1時間の場所にあります。新鮮な魚介類が並ぶ久礼(くれ)の『大正町市場』を中心に、県内外から多くの人が訪れる自然豊かな町です。今住んでいる家はリフォームしたての庭付き平屋です。家賃が破格なので、夏場の暑さや湿気、雑草の茂るスピードに困りつつも許容範囲です。

移住前は関西で飲食関係の仕事をしていました。京都の大学を卒業してから最初に働いたフレンチレストランがきっかけでフランスの郷土料理に興味がわき、「いつか本場で学んでみたい」と思うようになりました。当時からいわゆるレストランのシェフの味より、毎日食べても飽きないようなほっとする日常の料理、それも田舎のおばあちゃんが作るような料理に強い関心がありました。

約2年の準備期間を経て2018年にフランスへ留学。農家に滞在して畑仕事を手伝いながら、地方ごとに特色の異なる家庭料理を学びました。高知移住のきっかけは、フランス滞在中に出会った高知出身の女性シェフの一言です。「田舎料理に興味があるなら、高知がオススメ。郷土料理もたくさん残っているし、食材も豊富で面白い」とプッシュされて、俄然高知に興味が湧きました。

「魚を捌くところから始めるか?」から始まったお試し期間で、移住を決意

帰国してからはコロナの影響もあり、しばらく関西で足止め期間があったのですが、「次に進みたい」と思ってエイッと行動しました。最初は高知県内の他の市町村、例えば黒潮町や四万十町も移住先の候補にしていて色々と回ったのですが、どうもしっくり来なくて……ところが中土佐町に来たら、初日から物事が急にスムーズに動き出したんです。

食材について学びたい、田舎料理が知りたい、そして料理をしたいという私の希望を、移住相談窓口の方が引き合わせてくれた『田中鮮魚店』(大正町市場の有名店)の社長が面白がってくれました。「うちで魚を捌くところから始めるか?」と誘われたのをきっかけに、まずは1週間お試しで働いてみたらすごく面白い。魚の扱い方も知ることができるし、働いている人たちも面白い。食材や田舎料理についても知ることができそうだし、何よりこれは貴重な経験になると思って移住を決めました。

店が空いている時間に、自分の好きなことをする

移住して半年は、『田中鮮魚店』でひたすら干物を加工していました。おばちゃんたちと一緒におしゃべりしながら、ずっと魚を捌き続ける日々でした。楽しかったし学ぶことも多かったけれど、やはり料理がしたいという気持ちが大きくなってきたんです。ちょうどその頃、大正町市場にある飲食店『市場のめし屋 浜ちゃん』の働き手が高齢で、人手が足りないという話を聞きました。干物加工の仕事を続けながらそちらの手伝いもするようになると、だんだんと「ここで働いてほしい」と言われるように。「店が空いている時間に、店を使って自分の好きなことをさせてくれるなら」と話したら快諾を得ることができたので、本格的に『浜ちゃん』で働くことになりました。

移住して1年。今は『浜ちゃん』の店長をしながら、店の定休日には自分のやりたいことにチャレンジしています。2023年2月には、ずっとやりたかったモーニングと喫茶をスタートさせました。定休日は市場がお休みなので、いつもは賑やかな店の周辺も落ち着いた雰囲気になります。いつもと違った静かな雰囲気の中で、ゆったりとした時間を過ごしてほしいと考えて始めた試みです。

次につなげられるような取り組みがしたい

中土佐町久礼(くれ)は高知県内でも特にカツオのイメージが強い町ですが、カツオ以外にもおいしい魚がたくさんあるし、刺身以外にもおいしい食べ方がいろいろあります。魚だけでなく、野菜もとてもおいしいんです。ここに来てから日々食材の豊かさを実感しているので、地元の食材の魅力をもっと知ってもらえる場を作りたいと考えています。

中土佐町も他の地方と同じように高齢化が進んでいるので、町にいる同世代の少なさに寂しくなるときもありますが、ここに住み始めてから生活が豊かだなと感じることが増えました。例えば、毎朝の出勤時に欠かさず目に入ってくる海の景色や、夜に広がる星空など、これまで目を向けていなかった風景に心を動かされます。何より人があったかいんです。新しく始めようとすることも応援してくれるし、親身になって見守ってくれる方がたくさんいます。近所の方も、魚や野菜を届けてくれたり、ご自分でついたよもぎ餅をおすそ分けしてくれたりと、なにかと気にかけてくださっています。そんなことが日常にあるので、本当に豊かさを感じますね。

だからこそ、私も何かこの町の手助けになるようなことがしたい。そして何か、次につなげられるような取り組みができたらと思っています。


※この記事は、2023年3月29日時点の情報を掲載しております。

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