2018年には、従来の長浜蔵に加えて土佐市に「土佐蔵」を新設しました。最新の醸造設備を導入し、大型の精米機による自家精米や徹底した温度管理を行うことが可能となり、酔鯨酒造の目指す高品質な酒造りにまた一歩近づきました。
また、酒米「吟の夢」の生産にも取り組んでいて、地元生産者にアドバイスをいただきながら新しいチャレンジを行っています。米作り、精米、仕込みとすべての工程を自社で管理しながら、自分たちが思い描く理想の酒造りに一から挑む日もそう遠くはないかもしれません。
そのほか、「土佐蔵」に併設されたギャラリー・カフェでは、酒蔵見学の受け入れ、お酒の試飲、販売を行うほか、ソフトドリンクやスイーツ、グッズの販売を行っています。日本酒好きの方はもちろん、日本酒に疎くてもドライブの途中で立ち寄りたくなるスタイリッシュなカフェのような雰囲気の酒蔵として、多くの訪問者を受け入れています。
「Enjoy SAKE Life」酔鯨が描く、これからの酒蔵のかたち
日本酒というと敷居を高く感じてしまう人や、苦手意識を持っている人もいるかもしれません。そんな人にも親しみやすさを感じてもらえるような酒蔵でありたいという思いから、酔鯨酒造がテーマとして掲げているのが「Enjoy SAKE Life」という言葉です。
日本酒を楽しむことはもちろんのこと、日本酒そのものがなくとも食卓や生活をもっと豊かに楽しんでほしいという気持ちが込められています。そのために、酒粕や甘酒を使ったソフトドリンクの開発や、デザイナーや建築家など各界をリードする著名人とのコラボレーション、テーブルウェアなどさまざまな商品の販売を行うなど幅広い事業を展開しています。
「土佐蔵」を通して、これまで日本酒を飲んだことがない人たちとの交流が生まれている酔鯨酒造。こうして訪れてくれる人たちは酔鯨酒造にとって、いわば新しい層の人たちです。昔ながらの酒造りをコツコツと継続しながらも新たな繋がりを求め、さらに衣食住と幅広い展開を見据えています。