移住者インタビュー

【大豊町】地域を紡ぐ、四季折々の花が咲くギャラリー庭園「夢来里(むらざと)」

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定年退職後にUターンされたご夫婦二人三脚で造る庭園「夢来里(むらざと)」が集落のにぎわいを生んでいる。地域が脈々と受け継いできた文化を守りながら、新たな風も取り入れ紡ぐ都築夫妻にお話を伺ってきました。

都築一久さん
  将子さん

  • 出身地:大豊町
  • 現住所:大豊町
  • 移住年:2008年10月
  • 職業:「ギャラリー夢来里」運営

ご夫妻ともに大豊町出身とお聞きしましたが、Uターンのきっかけは?

一久さん)
定年退職が来たら退職をすることと、退職後は大豊町に戻ってくることは結婚当初から夫婦ともに決めていました。夫婦ともに出身地なので先祖の墓もありますし、義母が一人暮らしになっていたこともありUターン以前から何度も行き来していました。定年後しばらくは1年の1/3を大豊町で過ごしながら、2008年10月に完全に生活の拠点を今の大豊町に移しました。

将子さん)
元々この辺りは養蚕をしていたので桑の木が多く植わっていて耕作放棄地が広がっていたのですが、「家から一番見えるところだから」と、集落の方たちが実家の前に広がっていた桑畑をユンボで抜いてくれたり整備してくれたんです。それを手伝いながら整え始めたのが「夢来里」の始まりです。

集落の方たちが実家前の桑畑を整理してくれるのをお手伝いしているうちに、草刈りを覚え、毎年毎年ぼちぼちと庭造りを続けてきました。
そんな日々を過ごしているうちに、この土地を出た方たちから「ここの土地も自由に使っていいよ」と嬉しいお声がけをいただき庭園部分が広がっていきました。ギャラリーも家主さんからお借りして、趣味で描いている油絵や昔の大豊町東豊永の様子を展示しています。

庭園の広さは東京ドーム以上の広さを誇ると聞きました。どのように造っていかれたんですか?

将子さん)
私は昔から絵を描くのが趣味なので、自然をキャンパスに見立てて「この木を植えてこんな色になったら素敵」「ここには空間があるといいな」「ここにはベンチが欲しい」などと、絵を書きながら庭園に植える草花やレイアウトを考えていきました。

庭園の中の歩道も手づくりなんですが、性格的に主人は”まっすぐな道”が好きで、私は”曲がった道”が好きなので、そのあたりも「ここの道はこうやって造ってほしい」と伝えながら造っていき、今ではここまで広いお庭になりました。

一久さん)
役場から地籍図を取り寄せていたので、それに妻が絵を書いて行ってデザインを考えていきましたね。入口すぐにあるさつきをハート形にするというのは妻のアイデアです。最初は夫婦2人で出来る範囲で始めていましたが、役場のサポートがあることを知り、費用面でのサポートも活用しながら庭園を広げていって、2011年から一般公開をしています。

今の東豊永をどう感じていますか?

将子さん)
自分たちがUターンしてきた頃に比べても、地域外に出たり、亡くなってしまったりと集落の人口はどんどん減っています。でも、夢来里を知った方が足を運んでくれるようになって新たな交流が生まれています。最近では、外国の方や県外の方もわざわざお越しくださることもあるんです!

10年ほど前から高知大学の学生さんを受け入れていて、「どのようにしたら地域が元気になるか」を一緒に考えながら、庭園の整備やイベントの企画運営をしています。来週には、この庭園で虫取りをしに子供たちがたくさん来るのですが、そのお手伝いにも大学生が来てくれるようになっています。今では孫がたくさんいる感じだなぁと思っています。

夢来里を卒論で扱ってくれる子や、夢来里の魅力発信に向けたInstagramの活用方法を教えてくれる子たちがいて、私たちだけだったら知らなかったことを知る機会もありました。

Instagram
は始めてから今年で4年ほどですが毎日投稿を続けていて、その結果、いろんな地域から「夢来里」を訪れてくれる方が増えているのは嬉しいことです。

一久さん)
学生さんたちのほかにも、牧野植物園や大手製薬会社さんと薬草栽培を手掛けているので夢来里にはほんとうに色んな方たちが訪れてくれています。

社会人を過ごした大阪でずっと暮らそうとは思わなかったですか?

一久さん)
私の場合は、都会で退職してじっとしていたら、環状線の電車に乗ってぐるぐる回りながら一冊本を読み終わったら家に帰る、というようなことをして過ごしていたんじゃないかと思います。実際、定年後は2~3ヵ月ほどやってました。でもそれではダメだなと思ったんです。

大豊町に帰ってきて周りを見てみて、「やっぱりここ(=東豊永)で生活をして、ここをみんなが集まるような場所にしていったらどうかと考えるようになりました。畑の整備から始まり、学生の受け入れをするようになって古民家の改修をしたりして、これがすごく面白かったんですよね。

自分たちの手で一つずつ出来上がっていくのを見るのも面白いですし、自分のやりたいことをすぐやれる環境は「自由」で地元ならでは魅力だと感じています。今は家を改修中で、地域を訪れる人たちのお宿にしていこうかと準備を進めています。

将子さん)
毎日が日曜日みたいな感じでしんどかったら休みながらですが、夫婦で好きなことをして充実した日々を過ごせているなぁと思います。

ズバリ!今の暮らしの魅力を教えてください。

一久さん・将子さん)
朝は鳥のさえずりを聞いて起きて、雲海を見たり、自然を体感しながら暮らせるのは私たちには合っています。よく老後には田舎暮らしをしたくなると聞いていましたが、実際に自分たちがやってみて、おすすめできると思いますね。

将子さん)
買い物も近くの集落の商店の移動スーパーがあるので、基本的になんでも揃います。取り扱いがないものでも事前に言っておけば持ってきてくれます。大量に必要なものがあれば、車を出して高知市内や近くの土佐町あたりに出れば困ることはないです。

一久さん)
高知市までも車で50分程度ですし、今日は四万十川の方に遊びに行ってみようか、とふらっと行くこともできる。程よい距離感でいいです。

これから移住を検討される方にアドバイスをお願いします。

一久さん・将子さん)
Uターンは地域の方たちに特に受け入れてもらいやすいと思いますし、自分のやりたいことを実現させやすいと思います。上手くいけば一緒に地域の方たちが協力してくれる可能性も高いです。

将子さん)
見知らぬ土地に急に入るよりは、検討されている土地に1~2年くらいかけて通いながら色々な地域の方たちと繋がって、地域に入っていくのがおすすめです。その土地土地の暮らしにも馴染みやすいと思いますよ。

都築さんご夫妻のような「地域でできること」を知りたい方に朗報!

6月28日(土)大阪・29日(日)東京にて、高知県最大の移住相談会「高知暮らしフェア2025夏」を開催します。
当日は県内各地の地域にかかわる情報をたくさんご用意しておりますので、お気軽にご参加ください♪

「高知暮らしフェア2025夏」の詳細はこちら
●大阪会場
日時:2025年6月28日(土) 10:00~16:00
場所:OMMビル2階 Aホール
●東京会場
日時:2025年6月29日(日) 10:00~17:00
場所:東京交通会館12階 ダイヤモンドホール

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