【特集】隊員数全国1位を支える!高知県の地域おこし協力隊サポート体制の秘密

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高知県の地域おこし協力隊サポート体制について詳しくお伝えします!
【特集】隊員数全国1位を支える!高知県の地域おこし協力隊サポート体制の秘密
高知県では、現在200名を超える地域おこし協力隊が活動しており、任期終了後も多くのOBOGが県内に定住・起業・就業しています。そんな現役隊員の活動を支えているのが、OBOGや支援団体の存在。今回は、高知県の強みの一つである、協力隊の「サポート体制」について詳しくご紹介します!

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1.高知県地域おこし協力隊ネットワーク「とさのね」
2.「とさのね」代表 廣瀬さんインタビュー!協力隊を支える“伴走者”の想い
3.その他のサポート事例紹介
4.協力隊が気になる方へ、相談・イベント情報のご案内
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高知県地域おこし協力隊ネットワーク「とさのね」

「とさのね」は高知県内の協力隊OBOGを中心として構成される、協力隊の活動を支援する団体です。県内の地域おこし協力隊の活動支援と、現役隊員やOBOGとのネットワークづくりを目的に、現役隊員等を対象とした研修や、相談窓口、受入自治体の支援等を高知県とともに行っています。

■取り組み内容(令和7年度)※毎年度、内容が変更になる可能性があります。
①伴走支援
…支援を希望する市町村を対象に、「とさのね」の運営メンバーが4ヶ月にわたって毎月現役隊員を訪問。面談を通じて現役隊員の想いや価値観を引き出しながら、ミッションや任期後の活動の方向性を明確化し、市町村とともに「なりたい姿」の実現に向けた個別サポートを行っています。

②初任者勉強会の企画・運営
…着任1年未満の現役隊員等を対象に勉強会を開催(5月・10月)。初任者が不安になりやすい地域づくりに取り組む姿勢や心構え、行政の仕組みについて学ぶとともに、参加者間の交流を深めます。

③交流勉強会の企画・運営
…現役隊員等を対象に開催(6月・11月)。地域づくりに関わる方々をゲストに迎え、参加者のヒントになる地域活動や、なりわいづくりに関するノウハウ等について学びます。

④協力隊OBOGのなりわい紹介
…起業を検討中の現役隊員の参考になるよう、県内で起業された先輩協力隊にインタビューを行い、事業の始め方や特徴、アドバイス等を「とさのね」サイトで紹介。詳しい話を聞きたい場合は直接問い合わせも可能です。
※詳しくはこちら:https://tosanone.com/nariwai/

⑤協力隊OBOGインタビュー
…地域との関わり方や、協力隊活動期間中の悩み、工夫して取り組んだこと、任期終了後に向けた活動内容等、現役隊員にとって参考になる取り組みや考え方について紹介しています。
※詳しくはこちら:https://tosanone.com/category/coverage/

⑥個別相談窓口
…現役隊員の壁打ち相手として、各々の活動や任期終了後の仕事に関する悩みなど個別に相談を受けつけています。
協力隊勉強会の様子①
協力隊勉強会の様子①
協力隊勉強会の様子②
協力隊勉強会の様子②

「とさのね」代表 廣瀬さんインタビュー!協力隊を支える“伴走者”の想い

今回、「とさのね」の代表を務めている 廣瀬さんにインタビューしました!
県内の協力隊を支えるネットワーク「とさのね」立ち上げの背景や、廣瀬さんが大切にしている“伴走支援”への想いを伺いました。


■プロフィール
廣瀬 真也(ひろせ しんや)さん
高知県高知市出身。自然豊かな土地での暮らしを実現するため、17年務めた鋳物メーカーを退社し、家族で高知県越知町へ移住。同町地域おこし協力隊として、観光・賑わい創出に関わる20件の企画を実行。現在はマルチワーカーとして、自家製酵母のパンと焼き菓子・喫茶店「とちの」、まちの情報誌「おちぼん」編集長等、まちづくり事業も展開中。

■「とさのね」設立の経緯を教えていただけますか?
私は2019年から越知町の地域おこし協力隊として活動していたのですが、他市町村の協力隊と交流をするなかで、県内の多くの市町村で、協力隊を支援する仕組みが少ないことに気付いたことがきっかけです。
そこで、協力隊を伴走支援(サポート)する人材や組織が必要だと思い、任期中に県に提案しました。任期終了後は県の会計年度任用職員として準備を進め、2023年に「とさのね」として正式に発足しました。

■現在、「とさのね」にはどんなメンバーが在籍していますか?
今年度、新たに4名のメンバーが加わり、現在は私を含めて9名で活動しています。高知県内の地域おこし協力隊OBOGのほか、集落支援員や元役場職員、まちづくり会社の関係者などが在籍しています。協力隊を支援するうえでは、いい意味で協力隊に固執しすぎず、さまざまな視点を持つことが重要であるため、このようなメンバー構成になっています。

■特に力を入れている取り組みは何ですか?
やはり「伴走支援」ですね。今年度は10市町村の現役隊員を対象に、4か月間(4回)の訪問を通じて伴走支援を行ってきました。目的は「①現役隊員の自立促進(=現役隊員支援)」「②市町村内での協力隊支援の仕組み強化(=市町村担当職員支援)」の2つです。
現役隊員も市町村職員も不安や悩みを抱えています。この距離感やギャップを埋めることが、私たちの役割だと考えています。
「とさのね」では2023年から伴走支援を行っていますが、現役隊員から寄せられる個別相談の多くは「壁打ち」のような内容です。「話を聞いてほしい」「考えをぶつけて意見を聞きたい」といった声や、「どのような活動をすればよいか悩んでいる」という相談も多く寄せられます。

■伴走支援を行うことで、現役隊員や市町村職員からはどのような声が寄せられていますか?
・現役隊員からの声
「ゆっくり話を聞いてもらうことで、業務に対する取り組み方や真剣さが増したと思います。自分一人では解決できなかったことなので、とてもありがたかったです。」
「悩みや不安にも共感を持って傾聴していただいたことが、何より大きかったです。」
「任期終了後のことについて相談するなかで、自分の価値観を言語化でき、頭の中がクリアになりました。自分一人だとぐるぐる考えてしまいがちだったので、本当に助かりました。」

・市町村職員からの声
「とさのねさんの支援があったことで、役場がやるべきことが明確になりました。」
「協力隊の担当部署に異動になった時、それまでは全く別の業務を担当してきたため正直プレッシャーがありました。しかし、伴走支援のおかげで自分では解決できないこともサポートしてもらい、とても助かりました。」

■協力隊として活動するうえで、心に留めておいてほしい”心得”はありますか?
市町村役場に属しながら地域に出て活動するという特性上、協力隊は”バランス感覚”が非常に重要です。
都市部とは異なり、仕事以外でも地域との関わりが多く、生活や人間関係も含めて地域の一員として見られることがあります。そのため、公的な立場としての役割と、地域住民との柔軟な関係性の両方を意識して行動することを、ぜひ心に留めておいてほしいです。
また、”協力隊になることをゴールにしない”ということも大切です。協力隊はあくまでも”通過点”であり、”地域に関わる手段の一つ”と捉えることが重要です。

■最後に、今後、「とさのね」として取り組みたい新しい試みや目標を教えてください。
最終的な目標として、各市町村や地域に「とさのね」のような協力隊をサポートする人材が育成されて、支援できる仕組みになればいいなと思っています。各市町村に協力隊をサポート、伴走支援できる人材がいることで、ゆくゆくは各市町村、地域内で地域の特徴に応じた協力隊のサポート体制ができれば理想ですね

その他のサポート事例紹介

県内には、「とさのね」のほかにも、市町村独自で協力隊OBOGや地元の青年団と連携して協力隊をサポートしている事例があります。ここでは2つご紹介します。
①土佐市
土佐市青年団のメンバーで構成される「土佐市くらしネットワーク Reborn」が、地域おこし協力隊のサポートに積極的に取り組んでいます。県外出身で地域とのつながりが少ない隊員の相談に応じたり、住民との橋渡し役を担ったりするほか、隊員からサポートしてほしい内容をヒアリングし、それぞれの企画イベントのアドバイスや運営サポート等を行っています。

■サポートを行う方のプロフィール
土佐市くらしネットワークReborn代表 森岡 千晴さん
高知県土佐市出身。2014年から高知県青年団協議会として若い世代と地域活動に取り組む。移住者と地域との「つなぎ役」が改めて大切だと感じ、2024年春に土佐市青年団の有志たちと「土佐市くらしネットワークReborn」を立ち上げる。現在は、土佐市地域おこし協力隊の活動サポート事業を行う。シンガーソングライターとしても県内各地を奔走中。
※土佐市くらしネットワークRebornの詳細はこちら:
https://www.instagram.com/tosashikurashi_reborn/
②中土佐町
協力隊OBがメンターとして、月に1回、現役隊員と定期面談を行い、仕事の進め方から私生活の相談まで幅広く寄り添っています。協力隊として現場で活動してきた経験を活かし、「どのように仕事を進めたらいいか」「どんな考え方で取り組むべきか」など、具体的なアドバイスも行っています。また、本人の希望に応じて地域の方を紹介したり、関係機関との橋渡しを行うなど、現役隊員が地域に溶け込みながら安心して活動できる環境づくりをサポートしています。

■サポートを行う方のプロフィール
iijima studio代表/中土佐町地域おこし協力隊OB 飯島 賢さん
静岡県熱海市出身。2021年5月に地域おこし協力隊として妻とともに中土佐町に移住。現在は1児の父。地域おこし協力隊時代は外商支援を担当。2024年7月に「iijima studio」を開設し、ホームページおよびEC制作・運用、商品撮影、バックオフィス事務手続き、デジタル化導入サポートなどを行う。2025年からは中土佐町役場からの委託を受け、地域おこし協力隊のメンターとしても活動を開始。
※iijima studio HPはこちら:https://iijimast.com/

「ちょっと気になる…」なら、まずは話を聞いてみよう!

高知県では、様々なUIターンイベントを開催・出展しています。現役隊員や協力隊OBOG、自治体担当者に直接会って話を聞くチャンスです!
高知の地域おこし協力隊や暮らしに少しでも興味がある方は、ぜひお気軽にご参加ください。

■直近のイベント
・令和7年 12/14(日)東京開催、令和8年 1/17(土)大阪開催:「高知暮らしフェア2025冬」
高知県全34市町村や、お仕事分野、約200名の高知県民代表が集結する県最大のUIターン相談会。参加すると、後日使える高知への交通費半額支援制度が利用可能です。
※詳しくはこちら:https://kochi-iju.jp/lp/kurashifair/2025w/

■高知のしごと・くらし相談会
高知県では、定期的に各市町村が相談会を開催中!
※詳しくはこちら:https://kochi-iju.jp/lp/shigotokurashi.html

■高知県UIターンサポートセンターへのご相談
高知県移住コンシェルジュ(高知県が運営する相談窓口)へのご相談もオススメ!
対面相談・オンライン相談も何度でも無料で利用可能です。
「自治体への直接の相談はハードルが高い」「まだ具体的な計画はないけれど情報だけ知りたい」といった方はぜひご利用ください。
※詳しくはこちら:https://kochi-iju.jp/lp/soudan/

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