【土佐清水市】 子どもたちが“夢を叶える町”――土佐清水発・挑戦のストーリー

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Uターンで土佐清水市に戻った宮本海帆さんがコーチとして携わる、清水高校初のインターハイ出場者が誕生。小さな町で夢を追い続けた高校生たちの挑戦と、その裏にある地域や家族、指導者の熱い想いを取材しました。地方で叶える“全国への道”とは。
【土佐清水市】 子どもたちが“夢を叶える町”――土佐清水発・挑戦のストーリー

宮本海帆さんプロフィール

出身地:高知県
現住所:土佐清水市
移住年:2012年
職業:硬式テニスクラブ「FSS.tennis-team」代表
  

土佐清水市から全国大会へ~その思い。

兵庫県から地元・土佐清水市へ戻り、硬式テニスクラブ「FSS.tennis-team」の代表を務める宮本海帆さん。
以前、その活動ぶりを取材、インタビューさせていただきました。

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「地元にいながらでも、日本一、さらには世界を目指せる環境をつくりたい」――そんな想いで指導に力を注ぎ、地域に根ざしたクラブ運営を続けています。
そんな宮本さんの指導を受けてきた清水高校テニス部の2年生たちが、2025年の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)に高知県代表として出場を決定。清水高校としても、硬式テニスでの全国大会出場は創立以来初の快挙です。
このテニス部は、彼女たち自身の「みんなで清水高校に進学し、全国を目指したい」という声から、中学卒業時に創部されたばかり。テニスで夢を追いかける仲間たちの思いが実を結びました。

インターハイ出場の軌跡

インターハイ直前の練習中、宮本海帆さんに話を聞きました。

 宮本さん:

「私たちは団体戦での出場を目指していました。県総体の決勝で惜しくも準優勝。でも、気持ちを切り替えて臨んだ個人戦で、佐藤・弘田ペアが優勝を勝ち取り、出場が決まりました。全員がそれぞれの力を出し切ってくれたと思います」

 「創部から2年。去年は四国大会にも進めなかったけど、諦めずに『インターハイ出場』だけを目標にやってきた。今年は、ダブルスという形ではあるけど、“みんなでつかんだ”インターハイです」


 高校生たちの声


 インターハイに挑む選手たち、そして仲間たちに話を聞きました。


 佐藤涼さん(インターハイ出場)

「決勝では最後のゲームで流れが相手に行きそうでした。前衛の弘田さんが試合を決めてくれた瞬間は、泣いて感動しました」

 

弘田紗来さん(インターハイ出場)

「インターハイには不安もありますが、ペアの佐藤さんと自分たちらしいプレーができればと思います」

 

新谷心彩さん

「高校入学前から全国大会を目標にしていました。ここまで来られたのは、自分の成長だと思います。国体代表に選ばれるよう試合で結果を出したいです」

 

三木一桜さん

「テニスは高校までと決めています。秋の新人戦選抜も頑張ります」

 

山本実穂さん(1年生)

「先輩たちと一緒に戦いたくて清水高校に来ました。国体選考に残れなかったのは悔しいけど、夢を叶えた瞬間は本当にうれしかったです」

 

彼女たちの多くは、市外に進学する選択肢もありましたが、「ふるさとで、仲間と一緒に夢を追いたい」という想いを選びました。小さな町でも夢を追える――その実感が、土佐清水には確かにあります。



地域とテニスがつなぐ未来

清水高校には来春、寮が完成予定。宮本さんは、県内外からもっと多くの生徒が集まる環境を整えていきたいと話します。

 
宮本さん:

「高知市から毎週末通ってくれる中学生もいます。高校になったら清水でテニスをしたいと話してくれているんです。今後は四国の他県からも選手を呼び込みたいですね」

 

また、クラブOBの中には、テニスを続けるために土佐清水にUターンした人や、帰省のたびに練習に顔を出す人も。テニスが人をつなぎ、町に新たな流れを生み出しています。

受け継がれる想い

クラブの創設者であり、宮本海帆さんの父・忠男さんも、今回の快挙を誰より喜んでいます。

 

宮本忠男さん:

「清水高校にテニス部があれば、もっと早く全国へ行けた選手がいた。今回の活躍は、私の夢の続きが始まったように感じます。学校や地域の支えがあって、今があることを誇りに思います」

 

親子2代で受け継がれる「土佐清水から全国へ、そして世界へ」という夢。その第一歩が、今、確かに動き始めています。

インターハイの結果は?

2025年夏、広島県福山市で開催されたインターハイ。女子ダブルスに出場した清水高校、弘田・佐藤ペアは、山梨学院を相手に初戦0–6で敗退。悔しい結果となりました。
それでも、土佐清水の高校生たちが、自ら道を切り拓いて全国の舞台に立ったことは、大きな一歩です。その挑戦は、次の世代へと希望を繋ぎ続けるでしょう。

宮本海帆さんのこれから

「これからも、テニスを通じて人間形成をしていきたい。子どもたちが“チームで活動する意味”を理解しながら、共に成長していければうれしいです」

 土佐清水から始まったこの物語。

夢は、まだまだ終わりません。

 

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