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―温かい人々と、地域の熱意に触れた2日間―
高知県四万十町にある集落活動センター「仁井田のりん家」で、地域の夏祭りを盛り上げるプログラムが2日間にわたり開催され、地域外から2名の参加がありました。
昨年から始まった『仁井田ふるさと夏祭り』。参加者は前日に約50年ぶりに復活した盆踊りの練習を行い、当日は運営のお手伝いを通じて地元の方々と一緒にお祭りを盛り上げてくれました。
過疎化や少子高齢化が進む地域に再び活気を取り戻したいという地元の人々の思いと、その思いに共感した参加者の温かい気持ちが重なり合い、心温まる交流の場となりました。
プログラム内容
開催期間:2025年8月29日(金)17:00~18:30(盆踊り練習)
2025年8月30日(土)7:50~20:45(夏祭り本番)
※20:45~22:30 スタッフ交流会(任意参加)
開催エリア:四万十町
主 催 者:集落活動センター「仁井田のりん家」
対 象:どなたでも
【1日目】
①現地案内 |
集合場所の周辺やお祭りの会場を地元の方に案内してもらい、地域の歴史や文化について学ぶ。 |
②盆踊りの練習 |
窪川民謡クラブの先生から、踊りの歴史や振り付けの意味を教わりながら、盆踊りを練習する。 |
【2日目】
①会場設営 |
出店用のテントや来場者の休憩スペースを、地元の方々と協力して設営する。 |
②自由時間(約3時間) |
周辺にある第三十七番札所 岩本寺、松葉川温泉、沈下橋など、四万十町の観光地を自由に巡る。 |
③お祭り開始 |
清掃活動や子どもたちのアメゴ取りのお手伝いをする。その他、踊り子として盆踊りに参加したり、餅投げにも参加したり、お祭りを盛り上げる。 |
④片付け・交流会 |
お祭りの片付けを終えた後、参加者と地元の方々で交流会する。祭りを一緒に作り上げた達成感を分かち合う。 |
地域の散策を終え、盆踊りの練習が始まりました。
この日練習したのは、当日に披露する「炭鉱節」「湯浅音頭」「窪川音頭」、そして地元に伝わる「こっぱ踊り」と「こりゃせ踊り」です。
踊りの練習では、それぞれの振り付けに込められた意味を教えてもらいながら、手足の動きを何度も確認し、一つひとつの振り付けを丁寧に覚えていきました。ぎこちなかった参加者の動きは、時間が経つにつれてみるみる滑らかに。最後には、生き生きとした笑顔で踊りを楽しむ姿が見られました。
『地元に伝わる「こっぱ踊り」と「こりゃせ踊り」は歌と太鼓がなければ踊れないのですが、現在その歌と太鼓を継承しているのは、地域でたった一人しかいません。お祭りをきっかけに、この踊りを次世代に伝えてくれる人が増えてほしい。』
主催者の濵田さんのその言葉からは、地域の宝が失われていくかもしれない、という切ない思いが伝わってきました。
50年ぶりに復活した盆踊り
地元の方々から振りを教わります
朝霧に包まれた幻想的な雰囲気の中、祭りの会場設営が始まりました。手際よく作業を進める地元の方々。慣れないテント設営に戸惑う参加者に、彼らは「ここは任せて!」と、頼もしい声とともに力仕事を引き受けてくる場面もありました。互いに助け合いながら、約3時間後には会場がほぼ整いました。
みんなで協力してテントを設営
参加者も力仕事をお手伝い!
いよいよお祭りが始まると、ステージではバンド演奏、よさこい、カラオケ大会など、多彩なプログラムが次々と披露されました。運営を手伝っていた参加者たちも、その熱演に足を止めて見入り、会場の盛り上がりを肌で感じていました。さらに、地元の方から鮎の塩焼きが差し入れられると、香ばしい匂いに誘われ、参加者の顔には自然と笑顔がこぼれていました。
日が沈み、提灯の明かりが灯り始めると、祭りの締めくくりとなる盆踊りがスタート。参加者も地元の人々も、楽しそうに踊りの輪を広げ、会場全体が温かな一体感に包まれました。そして、祭りのフィナーレは恒例の餅投げです。櫓の上から餅を投げる参加者と、それを受け取ろうとする観客の大きな歓声が響き渡ります。その日の最後に打ち上げられたミニ花火は、色とりどりの光で闇夜を照らし、皆その光景を目に焼き付けていました。
盛大な拍手と温かい空気に包まれ、心に残る一日は静かに幕を閉じました。
音頭に合わせ、踊りの輪が広がる一夜
フィナーレの餅投げ!
南国市50代・女性の声夏祭りや盆踊り、餅投げなど、自分が楽しめる要素がたくさん含まれていて、それに魅力を感じて参加しました。参加する前から濵田さん(担当者)からこまめに連絡をいただいたおかげで、不安に感じることは何もありませんでした。
盆踊りの練習も丁寧に教えていただき、宿泊先も個人宅を提供してくださるなど、本当に感謝しています。お祭り当日も、お手伝いよりもまず「楽しんでください」という心遣いが伝わってきて、本当にたくさんの方から温かいおもてなしを受けました。
宿毛市50代・女性の声
もともとお祭り好きで、盆踊りが踊れることに魅力を感じ、このイベントに参加しました。 小さな集落が協力してこれだけの規模のお祭りを創り上げていることに心から感動しましたし、本当に素晴らしいと思います。 お手伝い以外にも、さまざまなことに参加させていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。とても楽しい一日でした。
四万十町よさこい踊り子隊 四万夢多
たくさんの笑顔があふれた交流会
地域の課題解決、交流促進、活性化を目指しています!
高知県四万十町の集落活動センター「仁井田のりん家」では、地元の食材を使ったお弁当やお惣菜の販売、地域農業の運営サポート、福祉サポート、パン作り教室、子どもから大人まで交流できる場所の提供など、日頃から部会ごとに様々な活動を行っています。
『昨年50年間途絶えていた盆踊りを復活させ、夏祭りを開催したのは、仁井田地区と影野地区に住む人々の交流を深めて、活気を取り戻したいと考えたから。また、過疎化や少子高齢化が進んできているが、この夏祭りをきっかけに、地域外からたくさんの人が来てくれて、もっと盛り上がれば嬉しいですね』と、担当の濵田さんは笑顔で話していました。
いこうち!プロジェクトでは、高知県の地域団体が抱えるさまざまな課題を、全国から集まる皆さんの「お手伝い」を通して解決し、交流を深めることを目指しています。地域の人々と一緒に作業することで、地域の文化に触れたり、温かいおもてなしを受けたりと貴重な経験ができます。高知県内では今後も様々なプログラムが開催される予定です。地域を盛り上げたい、新しい出会いがほしい、そんな方はぜひ参加してみませんか?
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